『男魂!!インポッシブル』ニッポン男子諸君、成功より性交だぞ☆
小学館の『ビックコミックスピリッツ』で連載中の、
日本少子化廃止政務特務機関マンガをご紹介いたします。

20XX年、日本は少子化の危機を救うべく、
政務特務機関少子化対策本部が密かに動いていた。
通称“セクシャルGメン”そこは女だらけの特務機関。
彼女たちの仕事は日本少子化問題の諸悪の根源であるPYの確保。
PYとはパンダ野郎の通称で名前の由来は、
パンダは発情が年1回でそれ以外は異性に興味も示さない、
まさに現代の日本人男性の特徴に似ている、というとこらからきている。
そんなPY共のおかげで日本の国力が低下し続けている。
Gメンたち使命は彼らに恋愛をさせること、それが任務なのです。
このお話はそのセクシャルGメンのひとり如月茉里子と、
Gメン初の男性捜査官・渡辺瑛太が、
次々にPY野郎を更正して立派な男性にするという、
社会派エロギャグコメディです。

近頃はやりED男子にセクシャルGメンがカツを入れ、
日本を救うという要はダメ男更正ストーリーなんですが、
この更正のさせ方がすごいんです。
恋愛をさせるというよりセックスレスの世の男性たちに、
めいいっぱいのセクハラをかまし、
無理やり恋愛体質に変えてしまうというもの。
主人公の如月さんは顔もかわいくまっすぐな性格の女の子、
真面目な彼女の口からは卑猥な言葉がストレートにとんできます。
その彼女のツッコミ的存在は如月さんの元犠牲者であり、
唯一まともな人間で初の男性Gメン・瑛太。
彼がいるからこそ如月さんのキャラが栄えてくるんです。
前向きな如月さんの言葉や行動は一瞬ズレているよに思いますが、
PYたちを見事に更正していくあたりあなどれません。
そしてPYといってもモテない男性ばかりでなく、
モテるがゆえの・・・というのもリアルでおもしろいんですよね。
著者の深海魚さんはフラワー系の少女マンガ家さん、
青年誌『スピリッツ』しかもこの内容・・・。
連載開始直後は大丈夫か?と思いましたが、
これがバカらしくていいんです。
少女マンガ家さんなだけに絵柄がちょっと・・・
という方もおられそうですがノリでカバーできていますのでご安心を。

男性にとっては本当に大きなお世話かもしれませんが、
今話題の少子化問題に真っ向から向き合った、
社会派コミック・・・じゃあなさそうですね!
さあ世の殿方、恋愛をしましょう!
じゃないとあなたのところにもやってきますよ、Gメンたちが・・・。

男魂!!インポッシブル 1 (1) (ビッグコミックス)男魂!!インポッシブル (1) (ビッグコミックス)
(2008/05)
深海 魚

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『ファンタジウム』摩訶不思議なマジックワールド
講談社『モーニング2』で連載中の小さい天才マジシャン物語を、
ご紹介いたします。

天才マジシャンだった祖父を持つ北条英明は子供の頃、
大人になったら祖父のような魔法使いになりたいと思っていたが、
今は一流大学を出てセキュリティ会社のサラリーマンとして過ごしている。
ある日営業先のカジノバーでいかさまをして稼ぐ少年と出会う。
そのテクニックのすごさと独特のパーム(手にコインを隠し持つ技術)に、
祖父の面影を見た北条は再び少年を探し出す。
少年は祖父が唯一とった弟子であり、名前は長見良。
良の才能に惹かれる北条は良を一流のマジシャンにしたいと考えるが、
良は難読症という字を読んだり覚えたりできないハンディの持ち主で、
今は中学校に行かず父親の工場の手伝いをしている。
両親はそのこともありマジシャンになることを反対するが、
北条の強い思いで両親を説得し良の保護者になり、
良とマジシャンの道を一緒に歩んでいくことを決める。
そんな天才マジシャンストーリーです。

“マジック”を題材にしたマンガですが、
天性の才能を持ち自由な感覚の持ち主の良は、
難読症という病を抱えていて孤独を感じています。
そんな良を愛しているから出来ない彼を殴ってしまう父親の憎愛、母親の愛情、
マジックに興味があったけど才能がなかった北条と良の間柄など、
真は人としての生き方が軸になっています。
また物語の中で良が見せるマジックのシーンも、
スピード感があり素晴らしく読者(観客)を魅了します。
舞台にたってその場の空気で出し物や見せ方を代える良は、
本当に天性の芸人魂を見せてくれます。
マジックにしても学習障害にしても、
著者の方が取材をキチンとされているとわかる作品。

ちなみに掲載誌『モーニング2』の人気投票では、
常に上位にランキングの作品なのですが、
コミックスが思うように売れず著者の方も悩んでおられるそうです。
たしかに店頭在庫は常に品薄、重版もかからず品切れ状態なんですが、
お問い合わせの多い作品なんです。
作品自体、奥行きの深さには目をみはるものがあります。
このレビューを見て少しでも興味を持たれた方は、
一度手にとってみてください、引き込まれる世界観ですよ。
ちなみにこのマンガの主人公、長見良のホームページもありますヨ。

【関連サイト】ファンタジウム〜長見良の魔法世界へようこそ!

ファンタジウム 1 (1) (モーニングKC)ファンタジウム (1) (モーニングKC)
(2007/06/22)
杉本 亜未

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『まつりスペシャル』覆面女子プロレスラー登場
『花より男子』『キャットストリート』の著者神尾葉子さんの新境地、
集英社の『ジャンプSQ.』で連載中の女子高生プロレスラー、
ラブコメディをご紹介いたします。

主人公の羽生まつり。
名前の由来はおまつりのような人生をと、
5年前に出て行った母親がつけてくれた。
そんなまつりの頭の中は今まさにクラスメートの、
諸角渉のことでおまつり状態。
イケメンの彼に熱い視線を送る毎日だが、
左隣のヤンキー転校生がデカくて渉くんが見えなかったり、
右隣の知ちゃんの学校のゴシップ話を聞かされたりで、
涙がでるほどうまくいかない毎日を過ごしている。
そんな一見普通の目立たない女子高生・・の彼女だが、
父親の率いるインディーズ団体「まごこころプロレス」を助けるため、
夜は覆面女子高生プロレスラー“ハニープリンセス”としてリングに上がる毎日。
でもこのことは絶対誰にも知られたくない秘密・・・。
そんな中まつりは近所で3人組の男に罵られ思わず、
彼らを投げ飛ばすところをクラスの左隣のヤンキー重松荒太に見られてしまう。
しかし荒太は根っからのプロレスおたくでありハニープリンセスのファンだった。
荒太と仲良くなり地味な高校生活が一転?!
そんなプロレス青春ラブコメディです。

主人公のまつりは思春期の女子高生、小さい時から柔道をさせられたり、
まわりの男性もプロレスラーでマッスル系ばかりでコンプレックスのかたまり。
そのため本当は強いのにリングではわざと負け続けているし、
好きになる男の子もイケメンの細い体系でサーファーの渉。
そんなまつりの良さをわかっているのは不器用な男の子荒太。
この3人が物語の軸になって話をかきまぜてくれます。
元々著者の神尾葉子さんはギャグの間合いが上手なマンガ家さん、
掲載誌が少年誌とあっていつもよりギャグ要素が多めのためか、
お話にテンポがあって大変読みやすいです。
設定がプロレスだったりテンポのいいギャグが入ったりで、
男性にも楽しめる要素がたくさんあるんですが、
絵のタッチがもろ少女マンガ系のため敬遠されてしまいそう。
そこがとても心配で残念ですね。

男女ともに楽しんで読めるコミックス、
女子プロ好きやラブコメ好き、神尾葉子さんのファンには、
オススメのコミックスですよ。

まつりスペシャル 1 (1) (ジャンプコミックス)まつりスペシャル (1) (ジャンプコミックス)
(2008/06)
神尾 葉子

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『ラッキー』5文字がつなぐ愛の物語
小学館『ビックコミックオリジナル増刊号』に掲載された、
新感覚家族物語をご紹介いたします。

小学5年生の日置祐太は身体の弱い母を亡くし父親と2人暮らし。
やさしい父親と家事を分担しているため、
友達と遊ぶヒマもなく友達自体少ない。
ある日祐太は押入れから偶然、犬ロボを発見する。
その犬ロボは最近流行りのペット犬ロボットの初期型で、
現在の犬ロボのように音声でコミュニケーションはとれないが、
顔についたディスプレイに5文字の言葉を映し出し、
コミュニケーションをとる見た目も愛らしい犬ロボ。
その犬ロボは祐太が生まれるずっと前、
当時子供が授からなかった両親が家族として飼っていたもの。
名前はラッキー、彼の機能は主人の模倣。
亡くなった母親が大切にしていたラッキーは、
祐太が生まれる前の母親の記憶がたくさんつまっていた。
祐太はラッキーと出会い再び日置家の一員となり、
祐太とラッキーの不思議な生活が始まった。

母親を亡くし塞ぎ気味の祐太の前に現れたラッキー。
母親の強い気持ちがインプットされたラッキーを通じ、
母親の死、そして自分自身成長していくストーリー。
たった5文字の言葉でコミュニケーションをとるラッキー、
その中に母親を知り再び母親を想う祐太。
シンプルな言葉でも心がこもっているため2人は通じ合っていきます。
しかしラッキーは旧型で部品の変えがないため、
バッテリーが上がってしまうと動かなくなってしまします。
そこには2人に残された時間はあとわずかという事実があります。
一緒の時間を共有していく2人、
ラッキーはだんだん祐太の模倣となっていきます。
キーワードを並べるとお涙ちょうだい的設定ですが、
この作品は感情を大きく描き深みを持たせ、
物語の背景や登場人物たちの想いを丁寧に描いているため、
純粋に感動できる傑作、素晴らしい作品です。
久々の村上かつらさんの新作は期待を裏切らない、
本当にいい物語です。

帯についているうたい文句同様、
“携帯電話を簡単に変えられない、そんなあなたに読んでほしい漫画です。”

ラッキー―Are you LUCKY? (ビッグコミックス)ラッキー―Are you LUCKY? (ビッグコミックス)
(2008/05/30)
村上 かつら

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「変身ものがたり」現代のおとぎ話
秋田書店のエレガンスイブで連載されていた、
現代のおとぎ話短編集をご紹介します。

“変身譚”というくくりで8つの身体の8つの物語が描かれた短編集は、
だれもが知っているおとぎ話をベースにしたものなどを、
現代におきかえかなりアレンジした物語になっています。
そのうちの1作品をご紹介したいと思います。
ネタバレになりますのでご注意ください。

『青りんごパイ』
無愛想な顔のえりは幼少の頃自分と違うキレイな顔の母親に憧れていた。
デリカシーのない母親のひとことにきずついた思春期、そして現在は大学生。
母親が美人なのは整形をくりかえしていたからで、
自分の顔に納得がいくと父親とえりをおいて5年前家を出て行ってしまった。
その母親から今更何事もなかったように連絡が入り食事に誘われる。
気の乗らないえりは男友達の西島を連れて行く。
あいかわらずの母親は3週間前に終わったえりの誕生日にと、
アップルパイと花束を持ってきていた。
小学校の遠足で料理が苦手な母親の持たされたの一切れのアップルパイ。
母親は自分が嫌いなのかと思ったしそれ以来アップルパイが大嫌いになった。
そのアップルパイを“好きだったでしょ?”と言って渡してきた母親に、
思わず人工的な顔と胸を叱咤してしまうえりだが、
母親は逆にえりに整形手術を促し思わずビールグラスを持ち上げるが、
友達の西島がグラスを奪いビールを飲み干してしまう。
そして“えりちゃんはこのままがすっげー1番いいんで、
ていうか超ストライクなんでボク。”とひとこと。
帰り道えりと西島はえりの家でアップルパイを食べる約束をする、
西島のおかげで大嫌いだったアップルパイはただのアップルパイになった。

この他もベースが『人魚姫』だったり『おおかみ男』だったりを、
著者の渡辺ペコさんが現代を舞台に置き換え描く物語たち。
悲しい、せつない、情けなくて人間くさいリアルがたくさんつまっています。
今までの作品とはまた違った奇想が楽しめる良質の作品集は、
五感がくすぐられますよ。

変身ものがたり (秋田レディースコミックスデラックス)
『たまちゃんハウス』落語の世界へようこそ
集英社『コーラス』で連載中の本格落語マンガをご紹介したいと思います。

主人公の女子大生の珠子は、父親が噺家、母親は三味線の囃し方、
内弟子が2人いる上方落語の家に生まれた女の子。
父、桜花亭春福の弟子は3人。
一番弟子早春は落研出身でそつなく落語や司会をこなし、
師匠を尊敬しているがそのそつなさがアダで師匠に嫌われている。
内弟子の春々は上がり症で地味でおとなしい性格のため、
実力は発揮できず高座での人気イマイチ。
一番下の弟弟下の白春は明るい性格でテレビで活躍中だが、
落語の腕はまだまだ。
そんな上方落語の世界を描いた作品です。

主人公の珠子のみ落語の世界に入っておらず、
落語の世界から一歩ひいた彼女の視点から描かれているため、
落語の世界を知らなくてもスンナリ入れます。
登場人物1人1人にスポットをあてそれぞれの心理描写を、
巧みに描くあたりさすがのベテランマンガ家さんという感じ。
基本が1話完結のため読みやすいつくりになっているのも特徴のひとつ。
私の中ではこの一門、どうも桂文枝一門と重ねてしまうんですが、
NHKのドラマだった『ちりとてちん』を思い出してもらえれば、
世界観がわかりやすいかもしれませんね。
ちなみにドラマよりこちらのコミックスの方が先なんですよ。

落語が好きな方や興味のある方にはとくにオススメのコミックス、
読めば魅力的な登場人物や落語の世界にハマることうけあいです。

たまちゃんハウス 1 (1) (クイーンズコミックス)たまちゃんハウス (1) (クイーンズコミックス)
(2006/11/17)
逢坂 みえこ

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『ザリガニ課長』大人のためのビジネス上達4コマ
講談社のアフタヌーンで連載中のビジネス上達4コマを、
ご紹介いたします!

村上正23歳、旭山商事の商品開発部に入社。
しかし会社の課長は“ザリガニ”だった!!
そうです、あのザリガニなんです!!
この課長ザリガニだからとあなどるなかれ・・・
仕事をバリバリこなし職場の仲間からも、
得意先からも愛されるスーパーサラリーマン!
たまに脱皮をしたりザリガニらしい一面も見せてくれるけど、
出来る男(オス?)働きマンなのです。
そんなザリガニ課長を中心にしたオフィスギャグマンガです。

とにかく課長がザリガニというシュールな設定がいいですよね、
まわりはみんな人間だけど課長はザリガニ・・・。
しかしこの課長ホント出来るサラリーマンなんですよ。
企画書はもちろんパソコンで仕上げ、出張も行きます、
得意先とも仲良し、仕事終わりは部下とバーで一杯。
そんなフツウのサラリーマン、部下にもユーモアたっぷりで、
企画書の中に隠れてみたり、回転寿司で一緒にまわったり、
居酒屋で刺身に隠れて部下を驚かしてみたり、
と人気者なのも納得しちゃいますよね!
ちなみにこのコミックス“大人のためのビジネス上達4コマ”らしいので、
最後にザリガニ課長によるサラリーマン10箇条を載せておきます。

1・節約 常にキャッシュフローを意識すべし。
2・沈黙 自他に益なきことを語るなかれ。
3・決意 意志を堅くもて。不撓不屈を誓うべし。
4・勤勉 時間を空費するなかれ。
5・切実 いたずらに人を害するなかれ。
6・自重 部下へのいたずらを控えるべし。
7・出張 席はまみちゃんとなるべく離すべし。
8・課長 島耕作に学ぶべし。
9・節制 子供を喰うべからず。
10・最期 死して屍拾うものなし。

そにしワールドのヌルさははまるとドツボです。
悩みあるサラリーマンやザリガニ好きにはオススメですよ!

ザリガニ課長 1 (1) (アフタヌーンKC)ザリガニ課長 (1) (アフタヌーンKC)
(2008/05/10)
そにし けんじ

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『Beautiful Sunset』小玉ユキ短編集2
2007年に刊行された『光の海』『羽衣ミシン』が話題を呼び、
今1番注目されているマンガ家小玉ユキさんの初期短編集をご紹介します。

初期短編集でもこちらは2巻目にあたりますが、
1巻よりもより初期の作品が収録されています。
小玉ユキさんは2000年に宝島社の『Cutie Comic』でデビューし、
何作品か残した後で雑誌自体が休刊してしまいます。
のち2002年に持ち込み作品が当時講談社で新創刊の雑誌、
『Vanilla』に載り再デビューをはたされますが、
半年後にその雑誌も休刊・・・という、
失礼ながら運のないマンガ家生活を送られていたそうです。
そんな小玉さんのその頃の作品が収録されている短編集、
彼女の原点を少しここでご紹介したい思います。

『Beautiful Sunset』
講談社『Vanilla』に掲載された前後編80ページの作品。
中学生の女の子と数学教師の淡い恋のお話は、
ありがちな設定ながら読者層が大人の女性とあってか、
主人公の女の子が冷静で大人びているため感情移入しやすい反面、
考え方や行動力が子供らしくないんですよね。
しかし話自体はありがちにならず流れもキレイで、
80ページを感じさせない作品です。

『柘榴』
小玉ユキさんのデビュー作品。
ページ数も少なく短編小説のような作り。
デビュー作としてはかなりクオリティの高い作品ですが、
どこにでもあるような作品ですね。

『さくらんぼうの宴』
デビュー作から3カ月後に掲載された作品。
とある夫婦の自宅の前に寝たきりの老人が置かれていた。
そのまま老人のめんどうを見ることになる夫婦を通して、
生と死をリアルに描いた作品。
すごく出来がいいです、ストーリー設定ともに素晴らしい!
一読の価値ありですよ。

他2作品が入った短編集は掲載されていた雑誌が、
20代の女性をターゲットにしていたため内容は大人向きのものばかり。
読み応えもあり出来のいい作品ばかりですが、
読んでいて思い出さずにおられないのが“魚喃キリコ”さん。
作風も絵もカブってしまうのが難・・・。
このままこっちの路線で描き続けていたら、
今の小玉さんは埋もれてしまってなかったかも・・・。
しかしながらクオリティの高さはバツグンで一読の価値ありです。
あと単行本のサイズを新書サイズではなく大判のA5版にして、
カラーを入れればもっと広い読者層に見てもらえそうですよね、残念。

デビューから異才をはなっていた事がよくわかる短編集は、
小玉ユキさんのファンならもちろん以外の方にも、
自信を持ってオススメできる作品集ですよ。

小玉ユキ短編集 2 (2) (フラワーコミックス)小玉ユキ短編集 (2) (フラワーコミックス)
(2008/05/26)
小玉 ユキ

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「シュガーはお年頃」女子高生はビミョーなお年頃!
少年画報社のヤングキングアワーズで連載中の、
女子高生物語をご紹介いたします。

九州の田舎に住む高校1年生の畑中恵子の夢は娼婦になること。
中学生の頃はモロ体育会系で毎日部活ざんまい、
男子のような日々を送っていたが高校で部活に所属しなくなったとたん、
生活は今までと180度変わってしまう。
世間の女子はツルんでトイレに行く、
グループ全員が揃うまでお弁当を食べない、などルールがあり、
和を乱すと途端に仲間はずれにされてしまう。
ガサツで体育会系の恵子はそういうものすべて、
わずらわしいと思っていたが、
自分がその対象になってしまいひとりを淋しいと感じる。
以前から図書室でひとりお弁当を食べる黒髪の美少女、
浅見椿に思い切って声をかけた恵子、
2人はすぐに打ち解けるが浅見は“中学時代売春をしていた”、
と学校中でウワサされ仲間はずれにされている女の子だった。
浅見に憧れつつクラスの女子グループにも気を使う恵子だが、
2人はどんどん仲良くなっていく。
そんな女の子の微妙な年頃の葛藤を描いた作品です。

著者の二宮ひかるさんは心理描写を描くのが、
大変上手なマンガ家さんです。
いつもは男女カップルのエッチな関係を描いておられますが、
今回は女子高生の生態がスポットというのがまずおもしろいですね。
処女(おそらく)の恵子が娼婦になりたい理由は、
淋しいひとをつつみ悲しいひとをなぐさめ、
一生懸命愛してあげる女神様になりたいから。
一方、美人だけどサバサバした男の子のような浅見。
浅見といることで学校の裏サイトで悪口を書かれたりし、
グループの女子から忠告をうける恵子ですが、
彼女と仲良くすることをやめません。
この年頃の自己主張の強さって浮いてしまうんですよね。
恵子も浅見もどちらも自己主張が強いんですが、
それをやめるきもなく仲間はずれにされても、
わりと平気なところがイイんです。

微妙なお年頃の女の子たちの心理や葛藤を描いた作品、
学生時代グループ行動がわずらわしかった女の子なら絶対、
楽しめるそんな物語ですよ。
ちなみに私もそうだったので2人に大共感なのでした・・・。

シュガーはお年頃 (1) (ヤングキングコミックス)
「少年少女学級団」小学生は恋も野球も直球勝負!
集英社の別冊マーガレットで連載中の、
等身大小学生ライフコミックをご紹介いたします。

見た目が男の子みたいな女の子中谷遥が転校してきた小学校のクラスは、
男子と女子が全面対立する仲の悪いクラスだった。
前の学校では少年野球チームのピッチャーとして、
活躍してきた遥は大の野球好き。
しかし登校初日の体育の時間に女子という理由だけで、
野球に参加させてもらえず悲しい思いをする。
そのうえ男子の中の中心的存在の渡は遥を敵視し、
遥の大切な野球ボールをわざとなくしてしまう。
怒った遥は渡を思わず殴って泣かせてしまい、
渡の家に無理やり母親に連れて行かれ出会ったのは、
甲子園出場経験のある渡の兄で高校生の健。
まだ恋にはほど遠いが健に憧れを抱くようになる遥。
そんな遥を中心にした小学生ライフ学園ストーリーです。

遥が健を好きといっても自分には自覚もないし、
まだまだ子供っぽさ全開なため恋愛的要素はまったくなく、
どちらかというと物語の中心は遥の学校での人間関係が主。
男子と女子の仲がすこぶる悪いクラスなだけに、
集団生活の中で衝突ばかり起きてしまいます。
クラスの中心人物が突然イジメの対象になったりしますが、
ただそのままで終わらずクラス全員で解決というのがイイんですよね。
また遥以外の女子は大人びていてクラス担任に恋をして、
先生の恋人で自分よりはるかに大人の女性に嫉妬し敵意を出したり。
男子は子供っぽく、女子はマセているだけに対峙してしまう・・・、
なんて誰しもが小学生の時に経験したんではないでしょうか?
小学生の不安定で感情むきだしのあの頃を懐かしんで読める作品。
幼いながらも悩んだり迷ったりしながら彼、彼女らなりの、
友情や恋愛がリアルに描かれています。
ただ連載誌が少女マンガ誌というのが少し残念ですよね。
かなりまとまりのあるおもしろい作品、設定なだけに、
読者層は完全な大人だと思うんですが・・・。

小学生の頃の自分に出会えそうなそんな良質の作品、
子供も毎日いろんなことを悩んで学んで生きているんですよ!

少女少年学級団 (1) (マーガレットコミックス)