「ワンダーワード」80年代のマンガ好き集まれ!
「きょうのできごと」など映画化もされた代表作を持つ小説家、
柴崎友香さんが「大阪芸術大学 大学漫画」で連載されていた、
マンガ家さんたちとの対談が1冊にまとまったのでご紹介いたします。

・上條淳士
「TO-Y」などの著者、上條淳士さんとの対談は、
「TO-Y」大好きな柴崎さんが作品への思い入れや、
自分の作品への影響、お2人の作品の共通点などが中心。
柴崎さんは作品の登場人物の名前を、
上條作品から拝借することもあるのだそう!
お2人の作品の見せ方の共通点が見えた対談でした。

・サライネス
「大阪豆ゴハン」「誰も寝てはならぬ」など、
大阪の空気を大切に表現するマンガ家サライネスさんとの対談は、
まさにその“大阪・大阪弁”について。
お2人の共通点は作品の登場人物が大阪弁であるということ。
お2人とも作品で気を使うポイントは、汚い大阪弁にならないこと。
確かにどちらの作品も乱れていないキレイな大阪弁なんですよね。
両作品とも全国区で人気があるのがわかった気がした対談でした。
ちなみに「誰も寝てはならぬ」のレビューはコチラ。
「誰も寝てはならぬ」恋愛もあれやこれもまったりと。

・荒木飛呂彦
「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦さんとの対談は、
代表作はひとつでいいという荒木さんの、
誇りを重視する作品のこだわりについて。
もちろん話題の中心は「ジョジョ」になりますよね!
柴崎さんよりインタビュアの方のほうが質問が多かった対談。
かなりのファンの方なんでしょうね。

・五十嵐大介
「リトル・フォレスト」「海獣の子供」の五十嵐大介さんとの対談は、
東北で自給自足の生活をしながら描く五十嵐さんだからこその、
リアルな生命力や大きな自然をとりいれた世界観について。
あの壮大な世界を描かれる五十嵐さん自身は、
とても素朴な方なんだなとわかった対談でした。

他、「陰陽師」の岡野玲子さんや、
「ソラニン」の浅野いにおさん、
「天然コケッコー」などのくらもちふさこさんとも対談されています。

そしてこの対談集で1番興味深かったのは、
ライター兼マンガ家の渋谷直角さん、
劇団「ヨーロッパ企画」の役者の松田陽子さん、
「ラウンダバウト」「キナコタイフーン」のマンガ家、
渡辺ペコさんとのクロストーク対談。
4人とも1970年後半生まれとあって対談の中心は、
80年代少女マンガから現代のマンガについて。
その中で印象的だったのは渡辺ペコさんの発言。
マンガ家の8割は手塚治虫の系譜、
2割は水木しげるの系譜に別れるということ。
内容もそうですが絵もそれにあたるらしく例えば、
吉田戦車さんや伊藤理佐さんみたいなおもちっぽいのは水木先生側。
なんだか納得してしまいましたね。
ちなみに渡辺ペコさんは、水木先生だそうですよ!
渡辺ペコさんの描く雰囲気、いい意味の手抜き具合はそうかも・・・。
ちなみに渡辺ペコさんのコミックスのレビューはコチラ。
「ラウンダバウト」回転木馬のような平凡な毎日。
「キナコタイフーン」女AV監督奮闘記。

1973年生まれの柴崎友香さんはバリバリのマンガっ子であり、
小さい時から今になってもマンガを楽しんでらっしゃる方。
そんな方に選出された人々なだけに奥が深く、
好きなだけあって掘り下げたトークは、
マンガ好きにはたまらない一冊に仕上がっています。
柴崎さんととくに同年代の方にはとくに一読の価値ありの対談集ですよ!

ワンダーワード―柴崎友香漫画家対談・エッセイ集ワンダーワード―柴崎友香漫画家対談・エッセイ集
(2008/03/19)
柴崎 友香

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