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『珈琲時間』コーヒーのように濃厚な物語
プロチェリストの女は路上で演奏後いつもの喫茶店に入る。
ブレンドとパンケーキを頼み席に着くと、
いきなりイタリア人だという男に話しかけられた。
日本語でペラペラとコーヒーのうんちくを話したと思ったら今度は、
ホテルにカードを忘れ小銭がない、
もうこの店に来ることもないだろうそれだけが心残りだと、せめてあと一杯とつぶやく。
チェリストは男に一杯おごることにした。
すると男はチェリストの演奏を中で見ていたから音はわからないが素晴らしいタッチだと言う、
自分はイタリアでオーケストラのマネージャーをしていると、
指揮者のリッカルド・ムーティーは自分の義理の姉の妹の旦那の友人だと言い出す。
ウソがバレると今度は建築家だと言い、またバレると今度は映画監督だと言いだす。
あきれるチェリストに男はその上5万ほど貸してくれないかと言い出した。
本当にイタリア人なの?と問いただすチェリストに男は、
スタッフとミーティングが!というと自分の伝票を差し出しその場から逃げてしまう。
チェリストが支払いをしにいくと男は、
コーヒー5杯にミルフィーユ2つも食べていた。
後日チェリストがたまたま街頭のテレビで見たのはあの男。
隣にいた友人は男を見てこう話す、
「モレッリ!来日してたんだ新作のプロモーションかな
 知ってる?モレッリってお母さん日本人なんだよね でも日本語は話せないんだね」

『アンダーカレント』から4年、豊田徹也さん最新作は短編集。
タイトルの『珈琲』にまつわるエピソードがあるわけでもなく、
連作ものもあれど短編同士がリンクすることもありません。
ただそこに珈琲があるというだけ。
上記に書いた登場人物以外にも、
お人よしの探偵、思春期の女の子と叔母、刑事と容疑者と刑事ロボット、
銃口を向け合うある2人、離婚寸前の夫婦などなど、
日常・非日常の中に珈琲があるんです。
ショートムービーを見るような上質な短編集。
味わいがあるところが珈琲ぽいのかもしれません。
素直に笑えるものから感慨深いものまで17編入っています。
最後の17話目には今までの登場人物がズラっと出てきて、
締めという感じが結構好きです。

珈琲をじっくり飲みながらじっくり味わいたい短編集。
珈琲が苦手な方は・・・お茶でも大丈夫ですよ!

珈琲時間 (アフタヌーンKC)珈琲時間 (アフタヌーンKC)
(2009/12/22)
豊田 徹也

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